「羨ましい」ところにあるもの

ときどき、
「あの人はものすごくお金持ちで羨ましい」とか、
「あんなに若くして大企業の部長なんてすごい」とか聞きます。
目の前にあるものにしか目がいかないのは世の人の常ですが、
もう少しタイムスパンを伸ばしてみたり、
視点を高くしてみると、案外と良いことばかりではないことが分かります。

福禄寿官印という言葉があります。
福は精神、禄は経済愛情、寿は健康、官は名誉、印は知性品格を示し、それぞれ五行に対応しています。
「幸せを五行に配当したものですか?」
と言われますが、その実は、
「幸せであり悩みの元である」ということになります。
一極二元なので、両方の側面があるということです。

これらの福徳は、それぞれをバランスよく持てば幸せなのは言うまでもありませんが、どれか1つが飛び抜ける場合は、その「飛び抜け具合」は大きくない方が幸せです。
オールマイティ+α
くらいが「幸せな人生」と言える範囲であって、どれか1つが飛び抜けるとその分、他の福徳を「飛び抜けて」損なうので望ましくない、ということです。

「ものすごくお金持ち」とか、
「ものすごい名誉(表彰とか議員になるとか)」というのは、長期的にはあまり幸せなことにはなりません。

例えば、
お金の分だけ飛び抜けたものすごいお金持ちというのは、知性品格に翳りがでて、品性のない人になります。(土剋水)
品性のない人には、まともな人は近寄らなくなるので、本質的な本人の人間レベルに相応した人との交流を損ない、不満の多い交友関係となります。

あるいは、ものすごく飛び抜けた名誉を得た場合、周りからの嫉妬や、高い地位に付き物の孤独によって精神をやられます。(金剋木)
名誉を得ても精神を壊し、よくない解決策にすがるようなことになったりします。
※剋す関係だけでなく、剋される関係にも配慮が必要です。

世の中の「羨ましく見える」ところには、多くの場合、悩みや問題があります。
これは、五行の偏りによるもので、そうした偏りは、姿勢や視線の歪みとして顕れます。

若年期に成功すれば、他を整えられなければ苦しい晩年になりますし、
あるいは他の家族の運を一手に使ってしまうことにもなります。

これは、1つが飛び抜けた場合のことであって、それぞれバランスよく身につけていけば、ある程度こうした事態は免れます。

バランスよく在りたいものだな、と思います。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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