子丑天中殺と寅卯天中殺の消化の難しさ

これはあくまで体感なのですが、天中殺グループ毎の「あるべき生き方」において、それをきちんと消化できていない印象があるのは子丑天中殺の人と寅卯天中殺の人です。

今の時代において消化しにくいのがこの2つの天中殺なのかも?という気がしています。

簡単におさらいです。

子丑天中殺の人は初代運で、自分が一から何かを始める人。

午未天中殺の人は末代運で、継承したものをまとめていく、整理していく、終わらせていく人。

寅卯天中殺の人は継承運で、かつ身内や親しい人たちとともに何かをやっていく人。

申酉天中殺の人は継承運で、かつ知らない人や親しくない人たちも巻き込んで何かをやっていく人。

辰巳天中殺の人は家系の仕事・カラーとは別のことを現実の世界(商売とか)において追求していく人。

戊亥天中殺の人は家系の仕事・カラーとは別のことを精神性の世界(学問、芸術、宗教など)において追求していく人。

これは、かねがね書いている鋳型の原型なので、この型からはずれていると、どうにもこうにもうまくいかない、ということになります。

言ってみれば道無き道を進む感じ、応援のない中で頑張る感じ、神風に恵まれることなく自力で模索していく感じ、といえば伝わるでしょうか。

人生でうまくいくかいかないかは、もしかしたらこれが半分くらいかそれ以上を占めているのではないかとさえ感じます。ので、再三にわたり書いていて恐縮ですが、また書きます。

以下、最近の時流のなかで「迷える人」がたどる道筋を書いてみます。

①迷える人が何をすべきか迷ったとき、SNS全盛の今のような時代には、外向きに知らない人がたくさん集まる場所に行って一緒に何かをやろうぜ!みたいな話に寄っていきます。

「何かをしよう!」と思い立って外に出ていき知り合った人と何かをするというのはある意味シンプルで分かりやすく簡単ですし。

なので多くの「迷える人」はこのアプローチで社会に出ていこうとするのですが、これは申酉天中殺的なアプローチ。申酉天中殺の人はこうした動きによってその型を簡単に消化できますがそれ以外の人の迷いは晴れません。

②①のようにみんなと「何かをやる」ことに参加できなかった人は、誰かが何かをやっていることをサポートしてそれをまとめていく、上手に納めていく、ということに役割を見出します。これは①ほどeasyではありませんが、まぁ人が集まるところに行けば、それをまとめたり納めたりする役割は転がっているので、世の中のあちこちにその型を消化できる機会はあります。

よって、①が自分にとってハードルが高いと感じる人はこの②のアプローチへ向かいます。

しかし、これは午未天中殺的なアプローチ。午未天中殺の人はこうした動きによってその型をうまく消化していきますが、それ以外の人の迷いはまだ晴れません。

③①で知らない人と何かをすることも、②でみんなが何かやっていることをまとめることもできなかった人は、「それでは自分でやってみよう」と、見慣れた現実(精神性とは対極という意味での)において利益を追求したり名を上げたりすることに向かいます。自分のオリジナルを掲げて存在感を発揮し、独立した在り方として人の注目を浴びることもあります。これは辰巳天中殺的なアプローチなので辰巳天中殺の人はここでようやく「自分の道」を知り安堵しますがそれ以外の人の迷いはまだ晴れません。

④①〜③をやってみてまったくしっくりこなかった人は、「それならば」と現実とは対極の学問・芸術・宗教など精神性の世界に向かいます。

目には見えない奥深い世界、他の人には見ることの出来ない世界を見つめ、その世界を掘り下げ、そこに見えたものを現実に生きる人に披露することもあります。

これは戊亥天中殺の人の独壇場なので、自分にフィットする精神性の世界を見つけた戊亥天中殺の人は「これこそが求めていた世界!」と快哉を叫ぶかもしれません。しかしそれ以外の人はいよいよ迷いの中に沈んでいきます。

以上が「ふつうの悩める人」が何かをしようとしてたどる道筋です。

なんとなく、今みたいな時代にはよくある話、よくある流れだと思いませんか?

では子丑天中殺と寅卯天中殺はどうなるのか?

思うに彼らは①〜④よりももう一つ踏むべきステップがあり、それに気づかないかそのステップを踏むのが難しいために、天中殺の消化が難しいのではないかと思います。

例えば、子丑天中殺の人は、おそらく③や④は幾分その道と掠ります。入り口は③や④で、ここでも「一から始める思い」はあるのですが、子丑天中殺にはこれにプラスして「それが継承されていくための一」に自分がなるという自覚が必要です。

あるいは、寅卯天中殺の人は、おそらく②が幾分その道と掠ります。入り口は②でも良いのですが、その中で「本当に信頼できる人」「自分にとって身内のような安心感のある人」を選りすぐってその継承の役割を担っていく必要があります。

おそらく、子丑天中殺や寅卯天中殺の人が、こうした「プラスワンステップ」に気づき、それも含めて消化し始めれば、驚くほど人生は晴れやかに過ごしやすく気分の良いものになるのではないかと考えますがいかがでしょうか。

子丑天中殺と寅卯天中殺は、その意味で他の人より大変です。他の天中殺より重たい荷物を背負っているともいえます。

しかし、他の天中殺より余分に頑張ってその道を消化できたら他の天中殺より「良いこと」もあります。

子丑天中殺は年を重ねる毎に人生は楽になっていくものですし(北方欠けなので年を重ねるごとに目上の存在が減っていけば当然楽になります)、

寅卯天中殺の人は晩年においては年運でめぐる天中殺の現象が出なくなるといわれます。

ここまで書いて気づきましたが、

そう考えると、冒頭に「体感ですが」と書きましたけれど、算命学はもともと子丑天中殺と寅卯天中殺の消化の難しさは織り込み済みで、だからこそ彼らの晩年が健やかであることを説いているのかもしれませんね。

お昼ご飯を食べつつ、ハタと気付いて怒涛のように書き出したので、例によって乱文ですがひとまず参考に紹介しておきます。

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12 件のコメント

  • はじめまして、いつもブログ拝見しています。
    考え抜かれた解説、とても興味深く読ませていただいています。

    今まさに寅卯天中殺月の庚戌の私、子丑天中殺年の丁巳の息子と苦しみの最中です。
    晩年運というのは聞いたことがありましたが、そういうことでしたか…。

    体感として私は年々天中殺が楽に感じていることは間違いないです。
    幼少期から親元を離れるまでは自然に環境に振り回され、誰かの補佐的な立場にならざるを得なくて、自分を抑えめに生きてきました。ここで消化されていたんですね。
    それでも元々持っている性質と環境が不一致で…例えば母親と縁がないとか友人や仕事は頼れないとか…どちらかというと真逆で。父親が早逝、友人とはじっくり長く付き合う性格です。
    現在は西方の家庭のほうが波乱気味なので、どないせーっちゅんじゃ!とキレ気味になります。

    子丑天中殺の息子も、両親が健在、独り立ちするためのモチベーションもなくエネルギーが空回り中という感じです。
    私自身は子供の世話をして継承を促したいのに、それが子供にとってはエネルギーの未消化になってしまうという循環の悪さ…。

    気付いて意識化はしていますが、思うような環境へ実際に変化させるには時間をかけるしかないのでしょうね…。

    他のトピックもそうそう!(激しく同意)と
    思うようなところがありましたが、
    今日は、こちらの記事に思わず反応してしまいました。

  • こんばんは!
    金烏さんからみて、「あるべき生き方」において、消化できていない印象があるのは子丑と寅卯の人・・・。
    私も寅卯の該当者ですが子丑は「父親・上司・目上」寅卯は「母親・兄弟・友人」が薄い違いがあるものの、
    彼らはとどのつまり生家・実家の「先天的家族」と縁が薄く、アテにせず、そこから脱却しないと運が開けないのに
    その生家や実家と縁を切るという事が出来ず、その恩恵を受け「ぬるま湯」に浸かってる人が多いからなのでは?
    前にも書きましたが寅卯の継承も生家の「先天的家族」ではなく夫や妻の実家の「後天的家族」、結婚相手の
    家系を繁栄させる三代目運だと私は思います。
    また子丑は晩年の十二運に天南、天禄、天将のいずれかの身強星が必ず付き、寅卯も子丑についで晩年身強星が
    付く干支が子丑に次いで多く(私の丙午、丁未、壬子、癸丑)、6つある天中殺の中でもっともパワフルだと
    されていますが、子丑にしても寅卯にしても、その強いエネルギーを発散できていない人が多いのかもしれませんね。

    ただ、三易では午・未・申・酉の帰蔵易の女性天下の時代で、この時代に力を発揮するのは子丑グループと
    寅卯グループで、逆に不利なのは午未グループと申酉のグループだとされているのですが・・・。

  • いつも楽しみに拝読させて頂いています。私も寅卯卯天中殺なのですが、やはり消化できてない感ありです。天中殺のことで実感するのは、周囲の気になる人を調べると、結構な割合で同じ天中殺の人が多いことです。そして偶然かもしれないのですが、妙に相手の感情がよくわかるなあと思っていると同じ天中殺の上に、陰占が、幼少期と晩年の星以外全く同じ星の並びの方でした。
    似た者同士?はやっぱり引き寄せられていくのでしょうか?その方と同じような生き方を目指したくはなくても、どうしてもその方向に流れて行ってしまう現象があり、人は与えられた星のとおりにしか生きていけないのでは?と痛感しています。宿命からそれることは基本的にはできないようになっているのでは?と感じました。

  • ちょうど一年前より旧ブログを見かけて以来、毎日のように愛読させていただいています。脱・年運天中殺および新ブログ開設おめでとうございます。初コメで積る話はありますが、本日は「子丑天中殺の人は初代運で~」以下で、午未天中殺の行が抜けていたので取り急ぎお知らせまで。自分が午未なので、大体予想はつきますが。単純に天中殺グループの視点でこれまでの自分の人生を振り返った限りでは、ぼちぼち消化してきたと思えるものの、現在の陽占の星の消化(石門2つと天将の壮年期)が最近滞っているので、淘汰されないためにも(笑)、今年はせっせとまとめ役のエンジンをかけていかなくてはと思っています。本年度の抱負になるヒントをありがとうございました。

  • ぴろこさん、コメントありがとうございます!
    「長く付き合える友達」というのは、東方というより西方的なので、寅卯天中殺としては順当なように思います。

    他の要素にもよるので、天中殺型だけでこうとは言えませんが、天中殺の型、条件とは違う道に進んでしまうのは、固定概念や一般常識を大切にする真面目な方に多いように思いますがどうでしょうか。
    少しわがままになってみる、自分に正直になってみる、ということを試してみると良いかもしれないです。

  • 紅虎さん
    ありがとうございます!とてもロジカル♩
    生家の縁ではなく配偶者の方を盛り立てるというのは確かに東方西方北方の意味を考えるとそうですが、核家族化により家族の意味自体が家系という考え方から離れている今、私は東方をライバル、西方を補佐役と捉えてみた次第です。
    ちなみに、申酉も寅卯も北方は欠けてないので、基本は北方である自分の家を踏襲するというのが基本ではないかと思っています。
    その上で、誰と組むのかというところで寅卯なら配偶者や信頼できる人、申酉なら親兄弟やライバルということになるんだろうと思います。

    三易は興味深いですが、「大学生の就職希望」で優秀な人たちの大多数が公務員やら大企業やらを目指しているのをみると、なかなか子丑天中殺は消化しづらく、また人間関係が希薄になっている現代においては、信頼できる人を見つけにくいという意味で寅卯も消化が難しいように感じられた次第です。

  • ひとみさん、コメントありがとうございます!
    確かに似たもの同士、引き合いますよね。
    私もまわりは宿命中殺のある人、異常干支のある人だらけです笑

    与えられたとおりに生きていけているならそれが順当、そして順当に生きているひとみさんのまわりには、似たもの同士ということで、きちんと宿命を消化している人が集まってくるのだろうと思います。

    分母を増やす(=関わる人を増やす)と、あれ?というような人は出てきます。
    例えば6旬目を超えずに亡くなられた方などの命式を見ると、なんとなくちがうな、というところがあるように思います。

  • のりっきーさん、ご指摘感謝です!!
    確かに抜けてる!修正します、、。
    そして、いつもご覧いただきありがとうございます😊

    石門星と天将星!それは大変そうですね、でもそのパワーはありそうです。応援しています。
    私自身、算命学を学ぶ目的の多くは自分の宿命をいかに消化するか?なので、ぜひ一緒に学んで参りましょう。
    私は木性の星がないのですが、初旬が石門星なので、天中殺があけたこともあり少し意識するようにしています。
    天将星を発揮するにはやはり「たくさんの人」と関わって開くことが不可欠という意味では、両方を活かせることを考えるのが良さそうですよね。

  • おはようございます。返信ありがとうございます。なるほどね。
    子丑天中殺は初代運ゆえ個人事業立ち上げなどに向き、公務員など大組織に入るというのは
    目上の人が少なくなる晩年まで待たなければならないし、強運を消化しづらいでしょうしね。
    ただ、寅卯天中殺の場合は信頼できる人がみつけにくい、との事ですがそれは母親や兄弟、友人
    が薄い特徴から、もはや宿命的なものだと思います。そんな寅卯天中殺の信頼できる補佐役や相手は
    やはり伴侶やその間との子孫達、後天的家族となるのではと思っています。この点は以前の金烏さんの
    ブログで寅卯天中殺は開運に結婚が不可欠だという事が指摘されていた事が記憶に残ってます。
    https://www.kinugyokutoan.com/?p=412
    私は丙午日生まれのせいか(笑)、寅卯天中殺にあっては例外的に結婚に興味がありませんが、そんなタイプは
    知らない人や親しくない人たちも巻き込んで何かをやっていく人で、逆に母親兄弟、友人と縁が強い申酉天中殺が
    身内や親しい人と何かやっていく人。寅卯天中殺と申酉天中殺の解説が逆な感じがしますね。
    そもそも夫や妻も元は知らない他人であるわけですし。寅卯の私や申酉の母やその姉をみてもそう感じます。
    またの長文失礼しました。

  • 紅虎さん
    寅卯ですが、母親や友達、兄弟より、配偶者、補佐役のほうが信頼できる存在というのが算命学の位置づけなので(東方はライバル、西方は補佐役ですし)、信頼できる人と繋がる要素は寅卯にはあります。
    ただ、今の時代ではなかなか難しいのだろうと私は考えているというお話でした。

    まぁ確かに人により感じ方は様々で、親族や友達との関係も考え方はいろいろなので、私の書き方、伝え方がイマイチなのかもしれません、すみません。

    しかし、そのうえでやはり思うのですが、申酉の友達はやはり「仲良く」に見えてもどこか決定的に張り合わなければならない時には頼らない存在なんだろうと思います。
    親友に恋人を取られたみたいな話が時々ありますが、あんな感じをイメージしています。

  • 初めまして。記事を拝見いたしました。
    ありがとうございます。
    3年前にある方から家族の算命学を初めて鑑定していただきました。(連絡先などわからなくなってしまい、こちらにコメントさせていただきました。)
    どうしても気になって、最近になって、再びその鑑定表を読み直したのですが、子どもが宿命子丑天中殺で、どうも月のところに「子」があります。2020と2021は天中殺の年です。最近、学校のルールを破ってしまい、それがいけないことだと100も承知していましたし、迷惑をかけてしまったこともわかっていて反省もしてるのですが、ルールを破ったことで、ある契約〔金)を解除されてしまい大きな損失を被ってしまいました。その大人達の対応(期待を裏切ったニュアンスの言葉など)や社会に対しての怒りや悲しみから、泡になってもう消えたい、誰もいない遠くの海の近くで一人暮らししたいなどと言っています。
    ネットで調べますと、この星は、社会に溶け込めにくい質があり、社会から浮いた形になりやすいとあり、今回のことは、まさにそのことが浮き彫りになった出来事でした。本人は、とてもキツそうです。
    社会に溶け込めにくいとは表裏一体で、成績もよく「出る杭」のような存在にもなっていましたので、大人たちも期待していましたが今回は、それを裏切る形になってしまいました。
    私自身も寅卯天中殺です。
    今回のことは、大きな損失だったため、私も子どもを受け入れつつ、正直、参ってしまいました。。。
    宿命子丑天中殺なので、一生涯、大変だとありました。

    しかしながら、ある意味素晴らしいこの星をいただき、命を損なうことなく、この星を伸ばしていくには、どのように対応したらいいでしょうか?

    先生の文面から、プラスワンステップに気づき、それも含めて消化し始めれば、驚くほど人生は晴れやかに過ごしやすく気分の良いものになるのではないかとありました。
    その性質を受け入れ、認知した上で、歩んでいくことを本人が自覚することかな、と思っています。
    本人も社会や学校という枠でおさめきれないということは認識しているので、もう一度、話をしてみようと思っているところです。

    他の星は、右上から縦に
    天庫、禄存、天禄
    真ん中上から
    貫さく、貫さく、調じょ
    左上から
    なし、調じょ、天将

    とありました。

    長文になってしまい、申し訳ありません。
    契約破棄は、昨日の話で主人にもできておらず、誰にも相談できず、大変恐縮だと思ったのですが先生の記事に吸い込まれるようにコメントしてしまいました。
    どうぞよろしくお願い致します。

  • 米神さま
    メールにてご案内いたしましたとおりです。

    ただ、何事も意味なく起こることではないので、しばらく様子を見るというのが良いではないかと思いました。

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