人が常に行うべき道として「五常」というのがあります。
儒教では「王のあるべき姿勢」として説かれているものですが、
我々一般の人間も、それを知っておくと自分の得たい幸せへの道標として参考になります。
五常とは何かといえば、仁礼信義智がそれです。
左から順に木火土金水に相当しています。
簡単にいえば、
仁は人への思いやり、
礼は礼儀正しくあること、
信は誠実であること、
義は利欲にとらわれない姿勢、
智は道理を心得て知識が豊富であることをいいます。
これらの五常の道を常におこなっていく先に、
福寿禄官印の「五徳」が備わるといわれます。
五徳とは、人間が欲する5つの幸せのカテゴリであり、平たくいえば人間が本能的に「目指すもの」のようなものといえ、
その意味で、「徳のある人」というのは相当する五常の道を歩み、五徳の徳目のいずれかを備えた人ということになります。
五徳とは、
福は人との和合の中にある幸福、
寿とは子供や孫そして健康、
禄とは資産、財産、
官とは地位、名誉、
印とは知恵、知性をいいます。
五常を実践していけば五徳を得ることができます。
例えば、欲する徳目が福だとすれば、それにに相応する五常である仁、人に親切であることをを実践することで、それを得ることができるといった感じです。
ちなみに、
どれも取り組んでいくことで得られる徳目ではありますが、
本質的な意味でその徳目を得られるのは宿命に刻まれたものなので、
もし何から取り組もうかと迷ったら、
宿命にあるものから取り組んでいくと得られやすく、効率的です。
「宿命にあるもの」とは、星図にある十大主星の五行がそれで、
例えば、
貫索星のある人は仁→福、
玉堂星のある人は智→印、
といった感じになります。
こうして書くと、
2種類、3種類しかない場合はそれしか得られないのか?
ということになるのですが、
後天運で巡るものもありますし、
ある程度であればどれも五常を実践することで得ることができます。
また、偏って多いものは、その分際立って得られるということでもあり、
その際立った徳を得ることで、他人からはどう見えたとしても、自分はその偏りに満足と幸せを得られるものでもあります。
よって、もし偏りが明確な星図の方の場合は、その偏った五行に相応する五常に取り組むことで、偏りを受け入れやすく、世の中に生かしやすくなるので、
まずはそれに取り組むことをお勧めします。
なお、一番よく訊かれるのは車騎星と牽牛星の義→官なので補足すると、
「義」というのは「我、羊とならん」という意味で、羊のリーダーは自分の命を犠牲にして狼の前に出て仲間を逃す、そうした自分の命を投げ打つくらいの覚悟があることが本当の勇気であり「義」であるといわれます。
拘りや変なプライドを捨て、迷いなく世のため人のために志正しくあることが義であり、それが官、名誉につながります。
参考:『強運を呼び込む』中村嘉男高尾学館校長著
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