家族との関係は進化する

日頃、一番気を遣うのは家族です、とか、家族は何より大事、といったことを書いているのですが、
子供のころからそうだったのか？といえば、全くそうではありませんでした。

子供の頃は、親とコミュニケーションを取ることが苦手な子供でしたし、
中学の半ば以降、高校を卒業するくらいまでは、親に反発し、まわりがドン引きするくらいのケンカを繰り返したものです。

子供のころから難解な本を読む読書家だったので、
理論で武装し巧みな言葉を操って親を攻撃したその度合いは、「若気の至り」という言葉で許される範囲を超えていたのではないかと思います。

では何が私を変えたのか？といえば、ただ一つ、親からの独立です。
親から離れたこと、親から経済的に独立したことがその私を変え、
以後、親を慮り大切にし、親との時間を大切にすることができるようになったのでした。

このあたり、生年中殺とか生月中殺とかあるような人は、
同じような経験を持っている人が多いだろうと思いますがどうでしょう。

生年中殺とか、生月中殺とかある人は、
世界観が壮大なので、自由ということの感覚もまた壮大で、
親の支配というものへの反発、その親の世界観（＝多くは常識的）を押し付けられることに耐えがたさを感じます。

決して親がキライだとか、その親自身が非人道的であるとかいうわけではなく、
たいていは、親のことが大好きで、親自身も愛情深く思いやりに満ちた人格者であるのですが、

それでも、生年中殺とか、生月中殺とかある人が親と一緒に暮らし、その経済的庇護のもとにいると、
親に反発し、まわりがドン引きするくらいのケンカを繰り返す、ということになりがちです。

なお、私の場合はそれに加えて、
人体星図の西方に火剋金の激突があるので、さらに身内に対する厳しさ・険しさの度合いが増していました…。

が、それも年齢と共に、あるいは経験と共に知恵を得て、
巧く処することができるようになったな、と思います。

人体星図の相剋というのは、人生の前半、経験がなく思慮が浅く、未熟なうちはくっきりとした反発として現れるのですが、
そういう反発を様々に経験し、都度思慮を巡らせそこから知恵を得ることができれば、それもうまく扱うことができるようになります。

生年中殺・生月中殺の難しさ、星図の相剋の難しさ、というのはあるのですが、
適切に対処することができれば、それを超えて知恵を得て良好で生産的な、そして巧みに思慮深く関係を築いていくことができるようになると思います。

そしてそれは多くの場合、
初めからうまくできる人よりも、ずっとうまく、あるいは適切な配慮をもってそれができるようになります。

命式と人体星図だけを見てため息をつく方がときどきおられますが、
人間は生まれもった要素をうまく活用していけば、いかようにも道を開いていくことができます。
恵まれた、というか、整った要素のある人よりもずっと生産的で厚みのある人生を歩むことができるものでもあります。

大切なのは、
己を知り、己の目指すところを知ることであり、
それさえくっきりとあれば、目指すところに辿り着かないということはありません。

なお、
「まわりがドン引きするくらいのケンカを繰り返した」ところから、
「一番気を遣うのは家族で、家族は何より大事」というところまではものすごい落差があるわけですが、

こういう落差というのは経験の厚みのようなもので、とても有用なものです。

その意味で、もし今「親との関係」に限らず、ひどく劣悪な関係というのが自分の回りにある方は、
どこかでうまく方向転換をすれば、絶対値をそのままにマイナスからプラスに転じるようなそういうミラクルな経験が出来るだろうと思います。

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