皆五行を備えている先にそれに「加えて」取り組むべきこと

人間というのは、誰しも必要最低限の五行は備えているといわれます。

これは、人間であれば必要最低限の、
守備本能、伝達本能、引力本能、攻撃本能、習得本能を備えている、ということであり、
生きていくうえでの「必要最低限の五行」は、
みなひとまず備えていますよ、ということです。

では、人体図に出てくる星は何かといえば、
「生きていくうえでの最低限の五行、五本能」を超えて、
「突出した資質」
がある、ということで、

これは、
人間というのはその「突出した資質」を発揮することに役割がある、と言い換えることができます。

つまり、
「星図に沿って生きましょう」といわれ、それをもって「宿命の消化である」ということの意味は、

普通の、最低限の人間としての生活に「加えて」取り組むべきことは、
この人体星図にある星に応じた本能の発揮であり、

さらにいえば、
その星図に応じた本能の発揮をして初めて、
「普通の、最低限の人間」の範疇を超え、

自分の存在が、個別具体の人格を備えた、人間の個体として知覚されるようになる、
「自分」というものがこの世界に立脚点を得て、世の中に対峙することができるようになる、

…といえます。

逆にいえば、
星図に沿った本能や才能の発揮に至るまでは、
自分の存在が、個別具体の人格を備えた人間の個体として知覚されない、ということでもあり、
個別性を持つまでは、「その他大勢」として生きる期間であるといえます。

自分としては当然「その他大勢」などと思うわけないじゃないですか！

と、いう方もいると思いますが、
星図に応じた生き方のビフォアアフターを経験した人であれば、

ビフォアの自分が、心の芯において自分のことを「その他大勢」だと思っていたことに気づかれるだろうと思います。
そして、アフターの自分が、そのビフォアの自分とは比べ物にならないほどの力強い存在感を得ていることにも気づいておられるだろうと思います。

いうなれば、
ビフォアの自分が白黒の線画であったのが、
アフターの自分は鮮烈な極彩色の油絵になった感じといえます。

なお、人間というのは、人生の晩年においては水墨画に至るものといわれますが、

白黒の線画から始まり、鮮烈な極彩色の油絵という形で頂点を極め（＝役割を全うし）、そしてその先に余計なものを打ち捨てた水墨画に向かう様子は、
人生を歩む上での素晴らしい道標にもなり得るものだと感じますがいかがでしょう。

白黒の線画のまま五旬目を過ぎてしまうと六旬目を超えられない、ということでもあるように思います。

ところで最近気づいたのですが、
星の印象と異なる人生、というのは、観る人が見ればとても「不快感を感じさせるもの」であるのだろうと思います。

これは、礼儀に則っていないとか協調性がないとか、まして見た目がどうだとかいうことではなく、
それよりももっと抜本的に不快感を感じさせるものなのですが、

こうした不快感は、
親しい人や身近な人は案外と気づかない、
あるいは許容するので、本人はそれと気づかないまま生きていくのですが、

集団、大衆、遠く離れた人を含めた大多数の人たちからすると「不快」であることを隠す必要がなく、
その結果として、

星図に応じていない人が何かをする場合、

身近な人には絶賛されるのに、
世間に出ると一向に評価されない、

ということが起こるのだろうと思います。

ちなみに、身近な人、いわゆる「村社会」で歓迎されるのは、
五本能をバランスよく備えた人であり、
たとえ突出した資質を持っている人であってもその突出した資質を隠しているケースであるので、

そういう村社会にいると、
冒頭に書いたあの「突出した資質」を発揮する機会を逸することになります。

なお、ムラを出るキーは東の星です。

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