先日日経で、「パッシブ運用」の膨張について問題ではないか?という記事がありました。
こちら:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD14CRZ0U1A710C2000000/
パッシブ運用というのは、アクティブ運用と対になる運用手法で、
アクティブ運用というのは、
株価の上昇が期待できる銘柄を選んで、
「マーケット平均以上、現在の景気にかかわらず儲ける」
…ということを目指して銘柄を選び投資する運用手法であり、積極性・能動的な運用スタイル、
パッシブ運用というのは、
「マーケット平均と同じ程度に儲ける」「景気の良しあしに連動させる」
…ということを目指して銘柄を選び投資する運用手法であり、消極的・受動的な運用スタイルです。
こうして書くと、
なんとなく、「積極的」のほうが儲かりそう、
なんとなく、「受動的」のほうは積極的な運用に及ばない、
…というような印象を受けるのですが、
実際のところを言えば、
ある程度の長期で眺めてみると、
ほとんどのアクティブなファンドはその利益においてパッシブなファンドの後塵を拝しており、
「アクティブ運用のファンドより、パッシブ運用のファンドのほうに軍配が上がる」
と、積極的には宣伝されないものの、
業界では、パッシブ運用のファンド=インデックスファンドのほうが効率が良い、というのはほぼゆるぎない常識となっています。
さて、これについて、
その記事は、モノを考える人が運用するアクティブ運用の値動きに乗っかるだけのパッシブ運用のファンドの問題点を指摘しているのですが、
東洋思想で眺めてみれば、
パッシブ(受動的)のほうが、アクティブ(能動的)に勝る、というのは、
至極当然のことであり、驚くことではありません。
アクティブ=積極的のほうが、強い、良い、正しい、効果的である、
…というのは、いかにも西洋的であり、
この日本においてもそのように感じ考える人が大多数を占めていると思うのですが、
物事の推移や人の人生の浮沈を丁寧に観察してみれば、
パッシブ=受動的であるほうが、
ずっと確かさを持った強さ、腹落ちする良さ、耐性のある正しさ、
そして持続的な効率性というのにつながるものだな、ということに気付きます。
これは、若い人、あるいは物事を近視眼的に眺める人はなかなか気づかないかもしれませんが、
ある程度年を重ねた人が虚心坦懐に、
コトの推移を5年10年のスパンで眺める、
人の栄枯盛衰を5年10年のスパンで眺める、
あるいは組織の興廃と浮沈を5年10年のスパンで眺める、
…ということをしてみれば、
その意味が分かるだろうと思います。
東洋思想では、中庸ということが最も貴ばれるわけですが、
パッシブ運用というのはその中庸に通じているので、
そう考えれば、パッシブがアクティブに勝ることに驚きはない、ということです。
さらにいえば、
遍く広がるこの世界の情報をすべて織り込むパッシブ運用と、
遍く広がる世界の中で「特別なもの」を選び取って優位に立とうとするアクティブ運用の、
そのスタンス、思考や哲学を比べてみても、
アクティブ運用のほうは人間の驕りのようなものが見え隠れし、
パッシブ運用に軍配が上がるのは当然のこととも感じられます。
このあたり、従化五格は身弱において最上とされ、
身強、あるいは貫索星・石門星があると破格になるというあの理屈に通じているなと思いますがいかがでしょう。
とはいえ、
アクティブ運用がまったくダメなのかといえばそうではなく、
アクティブ運用が向く時代になればその評価も変わるだろうと思います。
つまり、
今のような相対的に好景気の時期、株価が上昇を続けているような時期はパッシブ運用のほうが有利ですが、
混乱の時期、動乱の時期、不景気の時期においては、アクティブ運用の良さが出てくるだろうということです。
好景気の時期というのは、
みんながうまくいく時期、中流が増える時期といわれます。
一方、不景気の時期というのは、
二極化が進む時期、中流が減る時期であるといわれます。
みんながうまくいく時期は、その流れに乗っていればよく(受け身でいてもうまくいき)、
一方、二極化が進む時期には、全力を挙げて「がむしゃらに頑張る」ということが必要で(積極的でなければ沈むから)、
だからこそ、
平和な時期は、純星=鳳閣星、禄存星、司禄星、牽牛星、玉堂星 のような星が活きやすく、
動乱の時期は、濁星=貫索星、石門星、調舒星、車騎星、龍高星 のような星が活きやすいわけです。
これは、自分の星図にあればその星があてはまる時代が自分にとって本領を発揮しやすい時代ということですが、
そうでなくても、
動乱の時期、不景気な時代において活躍しやすいのは濁星であり、
その性質を知ることは動乱・不景気の時代の身の処し方の参考になりますし、
平和な時期、好景気の時代において活躍しやすいのは純星であるので、
その性質を知り参考にすることが、平和な時代、好景気の時代の身の処し方の参考になります。
なお、実は、動乱と平和、それぞれに合う星の見方はもう一つあります。
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