私は日ごろから、
「弟の子供に対して厳しすぎる」
…と、母によく言われます。
けれど私に言わせれば、
筋の通らないこととか、生ぬるいこととかを許容しない、
…という姿勢が一貫しているだけのことであって、
特に「弟の子供にだけ」厳しいわけではありません。
例えば、
友達相手に生ぬるい品質の商品やサービスでもって商売をする人は憚ることなく否定しますし、
浅い知識と経験で、中身のないことを吹聴したり喧伝するような人は、言葉を尽くして非難したりします。
…大人げなくてすみません。
でも、黙ってニコニコ聞いていると、
勘違いして寄ってくる人や、認めてもらえていると思ってセールスしてくる人、
さらには「自分が教えてやる」とばかりに上から目線で説教を始めるような人などが山のように寄ってくるもので、
そういう人たちに無駄な労力、無駄な時間を取られる
…ということの先にイライラが募り、爆発するくらいなら、
最初から、キッパリくっきりこちらの姿勢を明確にしておいたほうが良いと思うのです。
だいたい最近の「友達がたくさんほしい」と言っている人の半分くらいは、
その友達相手に商売をしたい人だよね、と思いますがどうでしょう。
さて、弟の子供の話に戻せば、
子供くらい、多少図に乗らせておけばいいのでは？
…という意見もあると思うのですが、
子供のうちに甘やかせるのは、けっこうなリスクを伴います。
「リスク」などという言葉が不適切な印象を与えるのを覚悟で、
敢えてその言葉を使っているのですが、
算命学を学んでいる方であればご存じのとおり、
子供の頃に甘やかされ、精神の練磨を経ずして大人になったりすると、
有形・現実の世界＝利害損得・実業・政治の世界において通用しない人間になります。
単に現実社会において通用しないだけならまだしも、
強さを持った子供が甘やかされて育つと、
ときに異常性が出てきて、その先に犯罪に走ることもあったりします。
もちろん、要素は他にもあるので、
「甘やかされる」という一点のみで、そうしたことが顕在化するというわけではないですが、
本来、人間としての基盤を構築すべき若年期において甘やかされる、ということが、
長い目で見てろくなことにならないのは事例を見れば明らかで、
それを数多の事例から揺るぎない確信をもって認識している自分の立場で、
無駄に子供を甘やかせるのは、
自分にとっても子供にとっても良くないだろうと考えています。
易経の序盤にある山水蒙という卦は、蒙昧な者、若年の人間を啓発指導していく、ということについて説いた卦ですが、
そこでも、教育の最初においては厳しくしつけることこそが肝心であると説かれています。
※身強、身弱、星の並びなどにより、厳しくすべき子供、多少甘やかせても良い子供などありますのでご注意くださいませ。
なお、子供に対してであれ、大人に対してであれ、
気まぐれな厳しさや拒絶というのは、相手を混乱させ、信用を損なうことにもなるのですが、
揺るぎなく明確な基準をもってその厳しさや拒絶（線引き）をするのは、
結界を張ることに似て、おかしな現象を自分の回りに寄せ付けない、という効果があります。
子供に対して結界ですか？と叱られそうですが、
子供が蒙昧の状態にある場合、その状態を脱するまでは穏やかな愛情をかけるべきではない、
…というのも易経に説いてあります。
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