安定に胡座をかいてはいけない、というお話

ちょっと変な話のようですけれど、
最近よく思うのが、

世の中には、
他人と「大量消費材を使い倒す」かのように付き合う人と、
「唯一無二の希少な資源を使わせてもらう」かのように付き合う人がいるな、
…ということです。

そして、

前者は「絶対的に雇用が保証されている職業」に従事している人に多く、
後者は「不安定な職業」あるいは「フレキシブルな職業」に従事している人に多いな、
…ということも、よく感じます。

こうした他人への態度を分けるのはいったい何なのか?
ということを考えていたんですが、

絶対的に雇用が保証されている職業の人というのは、
自分自身が絶対的に安定しているがために、状況や相手に応じて自分が柔軟に変化する必要がなく、
さらに自分の変化によって得られるものも大して変化がないことにより、

プライベートの人間関係においても、
他人や状況について柔軟に対応することもなく、
その先において相手の個性や才能、状況の個別具体的な希少性に気づくこともなく付き合う一方、

不安定な職業、フレキシブルな職業に従事している人は、
自分自身が不安定であるがために、状況や相手を厳選しなければ生き残ることが出来難く、
その厳選した状況や相手を死守するために状況や相手に応じて柔軟に変化する、

プライベートの人間関係においても、
付き合う相手や状況を厳選し、厳選するからこそその相手や状況を大切にし、
その先において相手の個性や才能、状況の個別具体的な希少性を尊びながら付き合うのではないか。

こういうことは、
大きな会社で働いたことがある人であれば、
少なからず感じるところではないかと思いますがどうでしょう。

さて、実は「絶対的に雇用が保証されている状態」というのは、
算命学でいえば月支がしっかりしている状態と言い換えることができます。

つまり、月支がしっかりしている、というのは、
人生において盤石の安定感につながるのですが、
その一方で柔軟性を欠く硬直的な生き方につながる面もあるわけです。

一方で、「不安定な職業」あるいは「フレキシブルな職業」というのは月支が不安定であるということであり、
人生において不安定感はあるものの、一方で柔軟性があるので、
相手や状況に応じたフレキシブルな生き方につながる面もある、といえます。

「安定」している、ということだけをみれば、それは大いに結構なことであり、
たとえまわりに硬直的だと思われたとしても、安定した人生を歩めるならそれでいいではないか、
と思う方もいると思うのですが、

月支の安定、不安定を問わず、大運の六旬目においてはあらゆる人の月支が壊れます。

つまり、月支が非常に安定した、
初旬から五旬までの人生において、自分は「絶対的に安定している」と信じて生きてきた人も、
逆に月支が散法にあったり中殺されたりしている、
初旬から五旬までの人生において、自分は「とても不安定だ」と感じながら生きてきた人も、
同様に、「自分の立場」が瓦解するのが大運の六旬目。

もともと不安定だった人は、不安定に慣れているのでそれほど大きな影響はないですが、
もともと盤石の安定感で生きてきたような人は、ここで大きな挫折、そして方向転換が促されることになります。

つまり、
自分自身が絶対的に安定しているがために、状況や相手に応じて自分が柔軟に変化する必要がなかったような人も、
このタイミングで、「不安定」を知り、それに対応するための柔軟性を身に着ける必要があるのだろう、ということです。

但し、難しいのは五旬目までの人生で「揺るぎない安定性」をもって硬直的に生きてきた人にとって、
柔軟性を身に着けることは至難の業である、という点。

なお、「揺るぎない安定性」を持つ要素の一つとして、
地支がすべて同じ十二支になる命式、というのがありますが、
彼らは六旬目においてすべての地支が壊れます。

同じ十二支が並ぶ盤石の安定感は素晴らしいものですが、
その先において硬直性となり、そのまま六旬目を迎えてしまうと苦しいことになるのだろうと思います。

本日、ちょうど『LIFESHIFT2』を読み終えたのですが、
この本がしつこく推奨する「移行するスキル」というのは、
そのような「もともと盤石の安定感で生きてきた人」の六旬目の対策に役立つな、と思いました。

同じ地支が3つ並ぶ方や、月支が安定しているような方は、
他人事と思わず読んでみると良いかもしれません。
(但し、個人的には『LIFESHIFT』の2より1のほうが充実した良い内容だったと思います。)

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