世の中には、10年くらいの経験の先にしか光ることが出来にくい人、というのがおられます。
営業マンであれ、
経営者であれ、
作家であれ、
フリーランスであれ、
…なんにしても、10年くらい経験がないと本質的には光ることが出来ない人。
こうして書くと、いかにも「残念な人」っぽいのですが、
そういう人は、逆に言えば、
10年くらいの経験があれば、
どんな仕事でも食っていける、ということでもあるので、
10年以上のキャリアを積めば、なんでもできる「ラッキーな人」という言い方もできます。
現代の世の中では、
スキルを磨くとか、ハウツーを覚えるとかいう方向に向かうことばかりが推奨される傾向にあるので、
スキルなど磨かずとも、ハウツーを覚えずとも、
ひたすらに10年同じことを続けさえすればそれが仕事になる人がいる、
…ということを理解しづらいと思うのですが、
世の中にはそういう人も少なからずいます。
例えば、職人の世界にいるような人なら、
その意味が分かるのではないかと思いますがどうでしょう。
よく、日本料理の料理人などは、
野菜の皮をむくだけで5年修行するとか、
卵を焼くだけで10年修行するとかいわれますが、
「10年同じことを続けさえすればそれが仕事になる人」であれば、
実際、そうやってこんこんと同じことを繰り返している先に、
それが仕事になっていきますね。
多少なりとも知恵があると、なかなかそうやって「同じことを10年」などは出来ないので、
こういう人は、知恵がないほうがむしろ穏当に生きていくことができます。
ちなみに、こういうタイプの人が、
うっかり高い学歴を得て、合理主義の環境に身を置いていたりすると、
けっこうな短期間にコロコロやることが変わっていったりするもので、
せっかくの高学歴がまるで役に立たずに空回り続ける、ということもあるので注意が必要と思います。
だいたい、そういう人の言葉というのは、
「変な感じ」がするのですが、
案外と「変な感じ」が重宝されることもあったりするので自覚しにくいこともあります。
なぜ「変な感じ」が重宝されるのかといえば、
教室などで、誰も言い出せないことを、悪目立ちする人が声高に言ってくれて助かる、
…みたいな感じで重宝されます。
で、本人は目立ってご機嫌だったりするのですが、
よくよくみれば、何の実もない、みたいなことになっていたりします。
そういう人は、きちんと己を知った先に計画を立てる、ということがとても大事と思います。
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