嘘と真実とその意味

「人の嘘」というのは、
そこそこ世の中をきちんと渡ってきた人なら、8割、9割分かると思います。
自分よりずっと粗い人であれば、
私は100%その人の嘘がわかりますし、
私の上の上の上司は朗らかな人ですが、その人は私の嘘を100%見抜いているだろうと思います。

 

嘘だとわかったからといって、
それを指摘することは稀で、

東野圭吾さんの小説『新参者』でも言っているとおり、
「人は嘘をつく」
ものなので、最初からそうした嘘は折り込み済みです。

 

『新参者』では、
「嘘は真実の影」
ともいいますが、
その嘘をなぜつくのか?
その嘘をなぜついているのか?
というのは、その嘘の裏側にあり、
大抵の場合、
その嘘の真裏を探せば真実が露われます。
それも、
言葉では決して語られない真実が、
嘘の裏から見つかります。

 

嘘は一種の、
サイレントコミュニケーション、
と言えるかもしれません。

 

「嘘をついてはいけない」
ということの裏の理由は、
自分の弱点が露呈するからです。

 

自分を大きく見せる嘘を言う人は、
自分が小さな人間だということが露呈しますし、
自分を賢く見せる嘘を言う人は、
自分が愚かな人間だということが露呈します。
自分が裕福だと見せる人は、
実は自分がカツカツだということが露呈してしまいます。

 

嘘をつかなければ、
「見たままの人」として受け入れていたのに、
その人が嘘をついたことで、
一気にその人が弱々しく見えるようになったりします。

だから、
仲が良い人と円満な関係を維持したければ、嘘は言わないほうがよいですし、
嫌いな人や敵対的な人、
あるいは交渉相手には、特に嘘はつかないほうがよいでしょう。
そこをガツンと攻撃されます。

 

真実というものの多くは、
言葉の外に顕れるものなので、
嘘をつく意味はあまりありません。

 

「いやでもあの人には嘘はバレない」
などという、そのあの人は、
多分、自分より相当粗い人か、
嘘に気づかないふりをしてくれている優しい人、
あるいは、
いつかどこかでその嘘を「利用する」ことを狙っている潜在的な敵になりうる人です。

 

命式などを拝見したうえでお会いしている方に嘘をつかれることが結構あります。
冒頭に書いたとおり、
「人間は嘘をつく」ものなので、
まったく構わないのですが、
命式はとても正直なので、
その「嘘」からいろんなこと、
例えばそこがその人の「弱点」だと分かってしまいます。

 

算命学を学んでいると、
現実の枠組みや世界観が変わっていきますが、
この「人間の嘘」と真実の相関関係で観えるもの、というのもその一つです。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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