上島さんは大運六旬目における大きな散法の重なり、
渡辺さんは大運六旬目は超えていましたが変剋律大運の終盤、
たぶん、一番苦しいところであったように思います。
そしてお二人とも、寅卯天中殺でいらっしゃって、天中殺中の出来事。
恐らくは、たいへんな「心の暗闇」の中におられた先のことであり、
その「心の暗闇」が永遠に続くかのように感じられたために、
そういう選択につながったのであろうと思いますが、
どうにかこの天中殺期間をやり過ごす、
あるいは、その「心の暗闇」が、時限的なものであるという認識をもってやり過ごす、
…ということが出来たら、何か救いになったのではないか？と考えています。
はたから見れば華やかな世界、
そしておそらくは、多くの人よりも裕福な生活をされていながら、
なぜ？…と思うところですが、
人間というのは、どういう環境に在っても、
その自分の立ち位置を基準に世界を捉える、相対的な存在なので、
華やかな中にも苦悩があり、
裕福であっても比較においてそう感じられないということは往々にしてあり、
結局、何を持っているからいいとか、誰がいるから救われるとかいうことではなく、
「自分の目の前にあると感じられる問題」の正体が何なのか？
「自分を取り囲む鬱屈と葛藤」がいったいいつまで続くのか？
…ということの理解なしには立ち行けない、ということなのだろうと思います。
冒頭に挙げた、散法の重なりとか、変剋律大運の一番苦しいところとかいうのは、
算命学の担い手であれば見れば分かるところですが、
そうでなければ「理由なき鬱屈」「原因不明の葛藤」として現れるもので、
多くはそうした鬱屈や葛藤が「永遠に続く」かのように感じられるもの。
けれど、
前に、2月3日、半会がめぐり始めたとたんにがらりと空気が変わったことを書いたことがありますとおり、
その鬱屈やら葛藤やらの原因となっている要素が過ぎれば、うそのように世界が晴れ渡って感じられるものです。
その意味で「原因が何なのか？」「いつまで続くか？」ということを認識しておくことは、
自分の鬱屈や葛藤の暴走を抑え、手懐けるために必要なことであるように思います。
私自身、只今現在、害が複数めぐっていて、さらに対冲なども重なっていて、
油断すると、どうにもならない鬱屈や葛藤に苛まされるということがあるのですが、
案外と「自分に執着しない」とか「現実の世界（利害損得・地位名誉・権力など）」に拘らないとか、
そういうことを意識するだけでやり過ごしやすい感じがあります。
もっとも、私のように、学問に没入し、半分隠遁しているような生活をしている人間と、
華やかにして人気商売の「ザ・有形の世界」（芸能界も、そこにお金や人気が絡めば有形の世界です）にいる人たちでは、
その「手放しやすさ」を比較するのもおこがましくはあるのですが、
それでも、本当に苦しくなったら、
ひとまず全部から退いて、無形の世界に避難するだけで別の世界が見えることもあるように思います。
…とはいえ、私の父もそうでしたが、
男性の場合、なかなかそういうわけにもいかない、
とりわけ、身強の人や身体のある十二大従星が多いような人の場合、
「有形の世界」を手放すのは、なかなか難しさがあるものでもありますね。
私が細々と書いているこうした内容がどこかで目に触れて、
「本当に苦しいときには、無形の世界（学問や芸術、思想の世界など）に退避する」
…ということを、心のどこかに置いていただき、何かのときの救いになりますよう祈念しております。
⭐︎2022年5月一週目公開分🌷
https://note.com/kinugyokutoan/m/m89848d9d55b5
4/6 「壮年期にある天印星の光らせ方の難しさ」と天印星を通して知る十二大従星の仮面と役割
https://note.com/kinugyokutoan/n/n1dc719037f6c
4/3 陰道占技想定法 伝統芸能の世界 序説 水火の相剋という矛盾の世界、非常識の先にある発展の理由
https://note.com/kinugyokutoan/n/n3ea9719eee99
3/29 小林麻耶さんの最近の「少しおかしな言動」の算命学的背景
https://note.com/kinugyokutoan/n/n3589c4df9a5f
3/24 天剋地冲という完全破壊のエネルギーがもたらす消耗と身内・親族・人間関係への影響
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3/30 土性特有の難しさ、土性を発揮するために要する時間とその方法
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3/22 人生においてアクセルを踏むべき時期・ブレーキを踏むべき時期、位相法・天中殺・大きな接運など
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3/11 命式詳解③ 陽占を読むときのポイントと誤解の多い「晩年期天将星」の生き方
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