木々というのは、
定期的に枝払いや伐採などをしなければ、
繁殖して伸びっぱなしになっていると鬱蒼と生い茂り、
昼間でありながら夜の暗さに閉ざされて、
野生化した動物や制御不能な植物がはびこる樹海と化した先に、
人間が足を踏み入れることすら困難な代物になるものでです。
こわいなぁ、と思うところですが、
これは人間にも同じことが言えるのだということを、幸田露伴先生がおっしゃっています。
日く、「樹の五衰」のとおり人間も衰えていく。
樹の五衰とは以下のとおり。
①「懐(ふところ)の蒸れ」
②「梢止り(うらどまり)」
③「裾廃(すそあがり)」
④「梢枯れ(うらがれ)」
⑤「虫付き」
「懐(ふところ)の蒸れ」とは、枝葉を払わないと、風通しや日差しが悪くなることで、
人と群れてばかりいると、だんだんと知性・理性や常識が損なわれ、蒙昧になっていくことを言っています。
「梢止り(うらどまり)」とは、木々の成長があるところまで止まってしまうこと、
正しい栄養がめぐらないので、大きく成長することができないことですが、
たくさんの人と群れてばかりいると、大きな発展が出来ないのは人間も同様です。
「裾廃(すそあがり)」とは、土の中から根っこが出てしまっていること、
根っこは本来、土中深くに張り巡らされていることで大樹を支え育てることができるものですが、
土から根っこが出ているということは、倒れやすい樹であるということです。
人間というのも、いろんな人と群れていると、
自分の信念が育たず、魅力が育たず、困難に立ち向かう力量も育たず、
ちょっとしたことで挫折し、落ち込み、立ち直り難くなったりするもの。
「梢枯れ(うらがれ)」とは、栄養がめぐらなくなって木々が枯れることで、いよいよ危ない状態ですが、
これは、宿命を逸れた人間が「暗室に咲く向日葵」のようになる、それに似ています。
「虫付き」は樹々に虫がつくことですが、
これは、宿命を知れた人間が「肥料になる」ということと同じことであるように思います。
いかがでしょうか。
こうしてみると、樹の五衰は、そのまま人間の五衰に通じていることが分かります。
そして、そもそもの衰退の始まりというのが、
野放図に枝や根を勢いよく伸ばし過ぎることにあること、というのはぎょっとしませんか。
人間の場合でいえば、
野放図に人と群れ、人とつるんでやりたい放題のような人のことですが、
そういう人は、早晩、恥も畏れも知らないような「人間まがいの存在」になり果てて、
暗室の向日葵になった先に肥料にあるのだということであり、
いつも誰かとつるんでいるような人は、
そのことを、よくよく自覚しておく必要があるように思います。
だいたい、観察していると、
「いつも誰かとつるんでいる人」で、その「つるんでいる期間」が長くなるごとに、
①「懐(ふところ)の蒸れ」
②「梢止り(うらどまり)」
③「裾廃(すそあがり)」
④「梢枯れ(うらがれ)」
⑤「虫付き」
…の段階を経ながら「おかしな人」になっている、
端的にいえば、上記のフェースを経ながら人間として劣化していくような感じがあるな、と思いますが、どうでしょう。
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