昨日の日経新聞の 「私の履歴書」 が良かったです。
今月の 「私の履歴書」 は、 漫画家の里中満智子先生で、
この方は、戦後間もない時期に生まれ、
16歳で第1回講談社新人漫画賞1位入賞して漫画家デビューを果たし、 「団塊の世代の星」ともいわれた方です。
その里中先生の 「私の履歴書」の昨日の内容は、
その代表作である、
持統天皇を主人公にした 「天上の虹」を描いていたときのお話。
連載にあたり、
「史実を大切にしつつも、 中高生読者を意識して大いに創作も折り込んで描き始めた。」
・・・のだけれど、
そのうち、高校の教師の方や、 万葉集の研究家の方から連絡がくるようになり、
だんだんと、
「少女誌だから」という意識を捨てて、自分なりの歴史観をしっかり描こうと方針転換し、
その結果、
編集部からは「読者の支持率が高い。こうなったら気の済むまで続けてください。」 と言われ、
妥協なく、 あの物語を描き上げることが出来た、・・・というお話。
いったい何が良かったのかといえば、
①史実を大切にしつつも、
②自分なりの歴史観をしっかり描こうと方針転換した結果、
③読者からの高い支持に応援されて、 それを描き上げることができたという点で、
私自身、 算命学についてあれこれと書く際には、
「日本における東洋思想の復権」ということを意識しながら、
①陰陽五行の構造的理解や高尾宗家をはじめとする諸先生方の説く理論を大切にしながらも、
②自分なりの東洋史観をもって書いているわけですが、
③ブログにせよ、note にせよ、書き続けられているのは多くの方の応援を頂くことができているからで、
その符合に、勇気づけられて「良かった」 と、 感じた次第。
単に史実をそのままに描くわけではない場合や、
単に教科書通りにそのまま書くわけではない場合
=教科書を読み解いて自分を通した理解を書く場合
…というのは、
そこに壮大なスケールでの思考を要するので、エネルギーも使うし、時間もかかる。
一方で、
ラクをしようと思えばいくらでもできる、
適当なことを書こうと思えばいくらでも書けるわけですが、
そういうなかで、
集中を切らさず自分の捉えたものの輪郭を見失うことなく書き切ろうと取り組んでいくには、
そういう支持や応援が本当にありがたいものです。
それは、 里中先生のような大漫画家先生でも同じだったんだな、
・・・ と、 分かったことが、 なんていうか、 良かったな、 と思ったのでした。
加えていえば、
史実をそのまま書くなら、
あるいは、教科書をそのまま写すならだれが書いても良いわけで、
そうではなく「自分」が書くなら、それは「自分」にしか書けないことを書かねばならないのだろうと思います。
私の場合、教科書を読みながら、教科書を書いてくださった先生、
既に他界された先生と会話をするような感覚があって、
「自分が書いている」というよりは「書くように導かれている」というほうが多分正しいのですが、
そうやって書かせていただいていることへの感謝の気持ちを大切にしつつ、精進しようと思います。
算命学について学んでいる方々が、それぞれに東洋史観を説かれて、
令和の時代が、「算命学諸子百家の時代」になったらおもしろいな、という期待も込めつつ。
記事はこちら:
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD090JM0Z00C22A1000000/
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