算命学を学ぶ上で不可欠の「一貫性」について

前に、算命学を学ぶ人は、
自分なりの歴史観、東洋史観を持たねばならない、ということを書いたことがあります。

歴史観とは何かといえば、
歴史を構造的に捉える視座・視点のことであり、
その視座・視点をもって歴史を捉えれば、
過去の歴史を前提として、その歴史の先に続く未来を観測することができる、それが歴史観というもの。

東洋史観とは何かといえば、
陰陽五行、十干十二支をもって歴史を構造的に捉える視座・視点のことであり、
陰陽五行、十干十二支をもって過去の歴史をとらえ、その先に続く未来を観測することができるわけで、
ゆえに、算命学をもって東洋史観といわれます。

歴史観というのは連綿と歴史において続く「時間と空間」を捉える長期的な歴史の捉え方であり、
その捉え方は常に一貫性がなければならないわけですが、

これは例えば、
算命学において、徹頭徹尾、陰陽五行の原則が貫かれている、
あらゆる現象や人物は、その陰陽五行の原則が揺るぎなく支配しているその一貫性を無視してはならないということに通じます。

ちょっと大仰なことを書きましたが、
もっと身近な話でいえば、

たとえば、貫索星という星があって、この星はたいへんに守りの堅い、信頼に足る星なわけですが、
その同じ貫索星を別の方向から見れば頑固でマイペースという面があり、
その「信頼に足る」というところを褒めながら、頑固でマイペースという点を非難するのは、
「一貫性がない」といえ、それは一貫性を無視することになりますよ、というお話です。

あるいは、対冲は「壊れる」という現象を起こし、
何かから離れたいときにはたいへんにありがたい作用なのですが、
一方で、大切にしている関係が壊れるようなこともあり、
対冲を捉えるときには、その両方を受け入れたうえで対冲という現象を捉えなければ、一貫性を欠き、正しい理解が出来ないわけです。

これはつまり、陰陽を貫く一極二元の捉え方であり、
東洋史観における一貫性とは一極二元の捉え方であるともいえます。

さて、なぜこんなことを書いているのかといえば、
世の中の、有意のインパクトを与えられる人物というのは、
その一貫性を備えているものだな=自分なりの歴史観をもっているものだな
…ということを改めて感じたからです。

長期的、構造的に物事を捉えてそこに一本芯がある視座をもっている人の言葉は、
単に言葉でありながら、あたかも金属でできた彫像のような存在感があります。

一方で、その一貫性がない言葉というのは、まるで泡沫(うたかた)のようだと感じます。
なんていうか、言葉に芯がなく、虚(うつろ)であるというか。

もっとも、
「淀みに浮かぶ泡沫(うたかた)は かつ 消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし」
…とあるとおり、
「一貫性がない=論理が破綻している」ような言葉は、久しくとどまらないのが自然の摂理。
だとすれば、その一貫性のない言葉やその使い手に時間を費やすのは無駄なのだろうと考えます。

そしてそれは即ち、
算命学の担い手が、一貫性なくそれを説けば
=自分なりの歴史観、東洋史観を持たずに算命学を説けば、

それもまた、単なる泡沫、戯言の誹りを免れない、ということでもあります。

世の中の大多数の人たちは、一貫性など気にせず様々に言葉を弄されますけれど、
そしてそれ自体、ある種の彩りや豊かさにつながることもあるのですけれど、

算命学の担い手の方、算命学を学ぼうと思う方々におかれましては、
物事の捉え方に一貫性を備えることを肝に銘じ、
その先においてご自身の歴史観、東洋史観を育んでいかれますよう。

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