算命学の世界で、
よく「縦線の世界」とか「横線の世界」とかいう言葉が使われます。
縦線の世界とは、精神の世界であり、
学問や芸術、思想や宗教などの世界のことで、
横線の世界とは、現実の世界であり、
実業や政治などの利害・損得の世界であるといわれます。
もう少し別の言い方をすれば、
縦線の世界というのは、他人との摩擦がない世界、他人と対立することがない世界であり、
横線の世界というのは、他人との摩擦がある世界、他人と対立することで道を開いていくような世界のことを指します。
さて、ちょっと前に、
参院選について書いた内容について議論をふっかけられた、ということがありました。
その方の主張というのが、
なんとも「地に足がついていない」というか、
あたかも「教科書に書いてあること」「雑誌に書いてあること」をそのまま振りかざすような内容で、
現実に起こっていることに立脚しない、
現実に展開されていることを無視した内容であったことに違和感を覚え、
学生や、20代くらいの若い人ならともかく、
いい年をした人がなぜそんな「机上の空論」を主張するのか?
…ということを考えるともなく考えていて、
ハタと気づいたのですが、
その方は、アーリーリタイヤした方で、
本質的な意味で「現実の世界=横線の世界=壮年期」から退いた人だから、
そういう物言いになったのではないか?
…と思ったのですがどうでしょう。
このあたりは、
学生や、20代くらいの若い人というのも同様で、
彼らも、まだまだ「現実の世界=横線の世界=他人を気圧すような活動」に至っていないような人たちが、
だいたいそういう「机上の空論」を主張するように思います。
そう考えると結局、
「現実の世界=横線の世界=他人との対立を乗り越えねばならないような世界」
…に生きていない場合のその言葉というのは、
たとえその内容が横線的=政治的・実業的なものであったとしても、
実態としては縦線的=空理空論になりがちで、
ゆえに、そのリタイヤした人や未熟な若い人たちというのは、
横線の世界=現実の世界=他人を圧倒して道を開くような世界
…において存在感を発揮できないのではない、ということなのではないか。
これは、
晩年期(リタイヤした人)や若年期(若い人たち)にある身強の星(=横線の世界で存在感を発揮する星)が陰転傾向となることにも通じています。
※晩年期や若年期の身強星のすべてが陰転する、ということではなく、使い方に工夫が必要であるということです。
いわゆる壮年期というのは、
自分の裁量で物事を判断し、自分の脚できちんと立ち、社会・世間において自分の存在感を発揮していくことができる期間であるのですが、
これは即ち、「横線の世界=他人と対峙する世界」において活動する期間である、ということで、
そういう活動をしている人にしか、
そんなふうに、きちんと自分の裁量で、自分の足で立って現実を生きている人にしか、
横線的な主張を横線の世界の住人に通すことができないのではないか?
横線的な存在感を発揮することはできないのではないか?
…ということです。
逆に言えば、
壮年期の年齢であったとしても、
きちんと自分の裁量で物事を判断していない人、
自分の足で立って現実を生きていない人、
…というのは、横線の世界には存在しえないのではないかな、というか。
星をきちんと消化していない人、
たとえば、
玉堂星を持ちながら理論理屈が備わっていない人の言葉が空回り上滑るのと同様に、
調舒星を持ちながら分かり安すぎる言葉を使う人の言葉がまるで意味を成さないのと同様に、
壮年期をきちんと生きていない人、
つまり、きちんと自分の裁量で物事を判断していない人、
自分の足で立って現実を生きていない人というのも、
その言葉や存在感を発揮できないのではないか、
…というお話です。
ちょっと観念的なお話で分かりにくいと思うのですが、
これはすごく大事なことである気がします。
なお、補足ですが、
壮年期にあるのが横線の星であったとしても、
きちんと自分の裁量で物事を判断していない人、
自分の足で立って現実を生きていない人というのはやはり空回るように思います。
というのも、横線の世界でだって、
きちんと自分の裁量で物事を判断するとか、
自分の足で立って現実を生きるとかいうことはできるはずで、
それ自体に摩擦や対立が発生するわけではないからです。
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