縦線の世界

本日、ちょっと用事があって自由が丘に行った際に、
駅前の本屋さんで「今こそ名著」シリーズの本がおいてあって、『風姿花伝』を買ってまいりました。

実は、一昨年読んでいた、同じ「今こそ名著」シリーズの『学問のすすめ』も、同じ本屋さんで買ったのですが、
お店に入ってすぐのところに「今こそ名著」シリーズがおいてあり、
そこで立ち止まってしまうので、それ以上中に入ったことがありません笑

ちなみに、『学問のすすめ』の前に読んでいた、サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』もその本屋さんの入り口に置いてあって、買いました。

漫画や雑誌も買うのですが、その本屋さんでは、なぜか学術的な本しか買ったことがなく、
その本屋さんは、自分的に「学術系の本に出会える場所」という位置づけになっています。

人でも、この人は、会うと「知的好奇心が刺激されて世界が広がる」人とか、
この人は、会うと「住空間が向上する、内側の世界が充実する」人とかいうのがありますが、
本屋さんというのも、そういう相性のようなものがあるように思います。

さて、その『風姿花伝』の解説において、

世阿弥が45歳のときに、
それまでバックボーンだった足利義満が急逝し、その子義持の時代になったことにより、
恩寵がライバルである増阿弥に移ったのですが、

それについて、世阿弥が、
「義持の鑑識眼は義満以上に素晴らしい。だからもっと玉を磨き、花を摘める幽曲でなければ御意に叶うことはできない」
…ということを、いっていたということが書いてあり、

それを読んで、

なるほど、芸事のような「縦線の世界」においては、
ライバルと対峙するにしても、相手とぶつかり合うのではなく、
自らの芸を磨くことに向かうのが「在るべき姿」ですが、

世阿弥という人は、実際その心得もしっかりとあったのだな、と感じ入りました。

「縦線の世界」とは、精神の世界、芸術・学問・宗教など、無形の世界のこと、
対して「横線の世界」とは、現実の世界、実業・権力・勝負など、有形の世界のことを指しますが、

「横線の世界」は、相剋の世界=対立や衝突を前提する世界であり、
「縦線の世界」は、相生の世界=学ぶ・伝えるといった「対立や衝突」がない世界で、

横線の世界・現実の世界において、対立や衝突を避ければ、その道で大成することはできず、
縦線の世界・精神の世界において、対立や衝突に向かえば、その道が濁り途絶えることになるといわれます。

アメリカナイズされた現代日本においては、
割と常に競争にさらされるので、
横線の世界で対立や衝突を避けることはそれほどなさそうですが、

なんとなく、現代に生きていると、
縦線の世界・精神の世界においてすら、うっかりすると、対立や衝突を起こしてしまいがちなもの。

けれど、
そういう匹夫の所業に反省を促すようなその一文に、大切なことを思い出したのでした。

なお、
「横線の世界」においてはエネルギーの消耗がある一方、
「縦線の世界」ではエネルギーの消耗がありません。

その意味で、「縦線の世界」、「横線の世界」をきちんと認識し、うまく使い分けることは、
算命学を実生活に活かすうえでは不可欠のことです。

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