時分の花

『風姿花伝』を読んでいます。
Facebookにそれを書いたら、
その本の本来の読み方やら、いろんな現代訳が出ていることやらを教えていただき、
これは何段階かに分けて読まねば…と思っているところです。

なぜ、そのことを、わざわざ書くのかといえば、

『風姿花伝』は、
「世界最古のビジネス書」とう面は、
「能に限らず、何かを学ぶ際の心得」という面があることに加え、
算命学に通じる、「森羅番所の仕組みを説いた書」という面もまたあるからです。

たとえば「時分の花」という言葉があります。

「花」というのは、面白さ、珍しさといった「目を惹くもの」のことですが、

「時分の花」とは、若いからこそ現れる、
「子供がそれをするから面白がられる」といった、芸以前の花、
「その時」が過ぎたら咲かせることが出来ない、「その時」限定の花のことをいっています。

算命学における十二大従星には、
人間の人生を12に分割したその期間が割り当てられていますが、

この十二大従星には、その星に応じた時期、
たとえば、天貴星であれば子供の時期、
天堂星であれば老年期の時期において、最もその星の良さが出るといわれます。

まさに、「星に応じた時期」の花、といういうことで、
これも「時分の花」といえるだろう、と思いますがどうでしょう。

なお、そう考えると、
算命学という観点でいえば「時分の花」は２つあることになります。

年齢に応じた「時分の花」と、
十二大従星に応じた「時分の花」です。

十二大従星にかかわらず、
人間の肉体の若さに応じた「時分の花」というのは当然にあり、
ゆえに、誰しも、肉体的な若さのある50代くらいまでは元気に活躍できるのですが、
それを超えると、十二大従星に応じた「時分の花」を生きねば、身が持たないのです。

「時分の花」の対義語は、「まことの花」、
年齢を重ねても出すことができる自分自身本来の魅力、個性からくる花をいいます。

「時分の花」を咲かせつつ、その時期に得られる応援を得ながら研鑽を積み、
「まことの花」を育てましょう…と、『風姿花伝』は説くのですが、

算命学という観点をそこに折り込めば、
年齢に応じた「時分の花」を育てつつ、
そのプロセスによって自分の宿命に応じた＝十二大従星に応じた「時分の花」を育てることの先に、
「まことの花」が育つのだといえるのではないかと思います。

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