先日、知り合いが、
「あの人はあんなに偉そうにしてるけど、大学は偏差値○代だった！」
…みたいなことを言っていて、
その方に、相当の嫌悪感をもっていることが伝わってくる、ということがありました。
社会人になって20年以上経てば「偏差値」というワード自体､ 使うことがあまりなく､
まして、それでもって人を判断することもなくなるもの。
けれど、ひどく嫌悪感を抱いてしまう場合には、
一生懸命、理由を探す、
その理由が分からないとその嫌悪感を正当化できないので、
理由をせっせと探す…ということの先に、
「偏差値が低い」という「犯人」見つけて安堵するというのは、
なんとなく、ホメオスタシス（恒常性）の一環なんじゃないかな？と、思います。
なんていうか、
自分と異質なものをどうにか受け入れるために、
その理由を明確にすることでその居場所をつくろうとする感じが、
そういう印象につながっています。
人間というのは、自分と異質な存在にたいして不安感を抱きます。
別に、偏差値が高いとか低いとかいうのはコトの本質ではなく、
ただただ、その相手の「異質さ」に落ち着かなさを感じる、というだけで、
たとえば、冒頭のその相手が高い偏差値の大学を出ていたら、
たぶん、別の理由、別の「犯人」を探すことになるはず。
さて、このように書くと、
そういう「異質なもの」 を受け入れない人っているよね…と、他人事のように思う方もおられると思うのですが、
実は、世の中には、
「異質なもの」を受け入れやすい時期と受け入れにくい時期というのがあり、
その意味でいえば、誰しも、
「異質なもの」を受け入れない、排除しようとする時期というのがあります。
例えば、 融合条件がめぐる時期であれば、
異質なものと融合していくので、異質なものであったとしても、
目の前にあったり、出会ったりすれば、それを受け入れていくものですし、
一方、分離条件がめぐる時期であれば、
目の前のものや出会うモノを、分離してい選り分けていく時期なので、
異質なものと同質のものを、細かく選り分けていくことになります。
ちなみに、
分離条件には、必ずしも「選り分けたものを攻撃する」いう質があるわけではなく、
「選り分ける」性質を持つだけなのですが、
分離条件がめぐる時期に攻撃的になる人はけっこうおられます。
これについて考えるに、
分離条件によって選り分けて明確になった「異質なもの」が、
人間の「異質なものを不安に思う性質」を惹起し、
その異質なものをどうにか取り込もうとするプロセスにおいて、
ホメオスタシス（恒常性）の一環として、
「攻撃する」ということが起こるのではないか？
…と思うのですがどうでしょう。
「攻撃」するならそれは、
「取り込もう」としているのではなく「排除｣したいのでは？
…と、思うところですが､
世の中「排除したい」と思ってそのとおり「排除」できることは稀であり、
通常は、異質なものを選り分けて、
その異質な場所に居場所をつくりレッテルを貼って、
同化することを避けながら共存することになります。
宿命に分離条件を持つ方は、案外と 「やさしい」 人が多いといわれますが、
それは、分離条件を命式に持つ方が、
もともと「異質なもの」 を選り分け認識しながら、自覚的に異質なものと共存しているから、
だから「受け入れる」器のようなものを既にもっているんじゃないかな､と思っています。
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