「時間の幅」をもって物事を捉える

このところ、真剣にマーケットを注視しています。

主に日経平均とNYダウ、S&P、ナスダックの4指標を眺めつつ、
そうした指標が、 必ずしもニュースと連動しない、
むしろ別の動きをすることに改めて驚きを感じつつ、
何事も「時間の幅をもって捉える」ことの大切さに思いをいたしております。

例えば、このところ、経済記事をみれば、
大規模な人員削減や、減収・減益のニュースがあふれているのですが、
株価指標だけをみていると、それほど大きなマイナスを感じられません。

あるいは、材料価格や輸送コストの上昇に伴う物価上昇のニュースが、
バラバラと報じられているのですが、
それが大きな衝撃を伴うインパクトある事象となっているかといえばそうでもありませんね。

こういうギャップの中にあって、

実は「何事もない」のではないか？…と感じそうになるのですが、
過去のバブルとその崩壊がそうであったように、
何事であれ、 出来事というのは「時間の幅」をもって起こる、
その意味でいえば、今はその「時間の幅」の序盤なのだろうと思います。

1989年12月29日、大納会で史上最高値をつけた日経平均のその値は 38,957円 44銭、
その後、2008年10月28日、バブル後最安値がついたその値は 6,994円90銭でした。

いずれの「出来事」も、そこに至るまでのプロセスと、
そこから脱するまでのプロセスがあり、
その「出来事」とそれを挟む両方のプロセスを含めて、「一連の出来事」であったわけで、

短絡的に物事を捉える思考でもって、
そのある種、エキセントリックな指標、端的な指標だけをもって 「出来事」であると考えていると、

つまり「分かりやすい何か」が起こるまでは「出来事」ではないと考えていると、
…いろいろと誤るのではないかと思います。

これは例えば、
算命学においては、人体星図の東方（＝社会 世間に対する態度）は、
相剋＝厳しさを感じる、
…というかたちであることが望まれるのですが、

それはなぜかといえば、
人間というのは「厳しい環境」に身を置くことで、
知恵を得て、工夫するようになり、見事な処世術を備えられるようになるものだからです。

つまり、東方における相剋というのは、
「時間の幅」で考えればたいへんにありがたい要素であり、
その「時間の幅」で考えることができる人は、長期的に見て立派な人物となっていきます。

けれど、短絡的な人たちは、
「東方が相生のほうがラクでいい」などと考えがちで、
そうやって、目の前の「ラク」 を追う先に、何十年かして、
鏡を見れば、だらしなく緩んだ顔に濁った眼の自分に気づく、

周りを見回すと、
そういう緩んだ自分と同じような顔の人しかまわりにいないことに気づく、
…みたいなことになるのです。

もっとも、後天運で早い段階において厳しさがめぐる場合は、
そこで鍛えられることになるので、
星図だけで判断できるものではありませんが、

いずれにせよ、
人生の歩み方にせよ、
人間としての成長にせよ、
あるいはマーケットの動きにせよ、
「時間の幅」で考えるというのはとても大切なこと、と思います。

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