海外ドラマの中でも名作の一つである『ダメージ』のシーズン3は、
「弱い人間」が最も凶悪になり得ることを見事に描いた作品です。
「自分を守るため」
「家族が幸せになるため」
「みんなで安定的に暮らしていくため」
…というのは、人間の当たり前の権利であり、全力で希求すべきものではあるのですが、
矮小な人間、知性を欠く人間、対人関係能力が著しく劣る人間、
つまり、人間としての強さや責任感、物事の道理や世間における処世術などを欠く人間がそれをすると、
「自分を守るため」にやったことが裏目に出て自分が損なわれる、
「家族が幸せになるため」にやったことが裏目に出て家族がバラバラになる、
「みんなで安定的に暮らしていくため」にやったことが裏目に出て生活が崩壊する、
…という様子が見事に描かれていて、
なぜ「弱い人間」がお金や権力を持つべきではないのか?がとてもよく分かります。
「弱い人間の怖さ」が気になる方は、ぜひ『ダメージ』のシーズン3をご覧いただきたいのですが、
そもそもの「弱い人間」がどのように出来上がるのか、ということについて本日は書きます。
さて、強い人間と弱い人間は、命式で分かるのか?といえば、
いわゆる身強とか身弱、エネルギー値の強弱などは命式で分かるのですが、
ここでいう「人間としての強さ」というのは、命式とは別に、
適切に育てられたかどうか?によって決まります。
何をもって適切に育てられたと言えるかといえば、
親が子供に注意を払い、子供の目を見て話すとか、子供の声に耳を傾けるとか、
そういう「親子のコミュニケーション」をもって育てられたか、ということが、人間の強さを決めていきます。
なお、ここでいう「親子のコミュニケーション」というのは、
言葉を介さない時期の、赤ちゃんの頃から小学校に上がるまでくらいのコミュニケーションのことなので、
普通の「会話」ではなく、
「意味を成さない声」に耳を傾けるとか、
身振り手振りや目の表情などからその「声」を読み取るとか、
そういうコミュニケーションのことで、
そういう「親以外は気にも留めないであろう、声や表情、身振り手振り」といったものに、
どれだけ親が耳を傾け、それに応えてきたか、ということが、
その子供の「人間としての強さ」をつくるのだということです。
そうやって育てられた子供というのは、
豊かな表情を備え、揺るぎない自己を持つようになるもので、
それがいわゆる学校の成績につながるかといえば必ずしもそうではないのですけれど、
それでも、人生において逃げない、負けない、人真似ではない人生を歩むようになるもので、
このあたりは、多くの子供を見ている人であれば、その違いが良く分かるのではないかと思います。
これはなぜかといえば、
子供が思いを発するそれを、親が受け取る、
そうやって「受け取る存在」がいることが子供を強くしていくものだからです。
例えば、
「うちの子は嘘をつきません」というお母さんは、子供をよく見ていないものですし、
スマホを見ながら子供と話すお母さんは、子供の声をきちんと聞いてはいないものですが、
そうやって、子供を「見過ごす」ことが子供の力を弱めていく、
そうやって、子供を「聞き過ごす」ことが子供の存在感を弱めていく、ということです。
その意味でいえば、子供と大喧嘩をするお母さん、というのは、
それだけ子供と確り向き合っている、という意味で、子供を強くしているといえますし、
ときに、子供と取っ組み合いのけんかをするお母さん、というのは、
がっぷり四つに組んで子供と向き合っている、という意味で、子供の存在を強くしているのだといえます。
人体星図の自分の星と、子供の星は、ともに壮年期の星が支えている、
つまり、自分の星と子供の星が同じ力量となっていることには、
子供というのは、そうやって、がっつり向き合わなければ、立派に育てることは出来ない、
…という意味が隠れています。
人間というのは「厳しさ」によって魂を入れられるものなのです。
冒頭の「ダメージ」のシーズン3の話に戻せば、
矮小な人間、知性を欠く人間、対人関係能力が著しく劣る人間、
人間としての強さや責任感、物事の道理や世間における処世術などを欠く人間…であるジョー・トビンは、
最終的に、たいへんな犯罪を犯すことになるのですが、
父親は、死に瀕してすら、ジョーに言いたいことも言えず、
母親は、ジョーに虐げられた先に自殺してしまう、という描写からは、
ジョーが過保護に甘やかされて育ったこと、
それゆえに、まともに期待されず、親に素通りされて育ってきたこと、
そしてそのことが、自分本位にして残酷な人間を造り出してしまったこと、
そうした諸々が、まざまざと見事に描かれていて、改めて戦慄しました。
なお、「人間としての強さ」と、親とのコミュニケーションがなぜつながるのか?
…ということは、算命学的に説明でき、本日、noteのほうに書いています。
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