世の中の問題点を看破する人というのがいます。
いつも穿ったところを突いてくるような人。
あるいは、あらを見つけるのが上手い人。
例えば破格の人はそんな人です。
破格とは、
格法に一つ星が足りないとか、
一要素欠けているとか、
格に破れがある命式のことで、
例えば、次のような命式は、
土性の一気格には一つ欠けています。
年干の破れによって格が破れているかたちで破格です。
土土×
土土土
命式は、
自分が生まれた年月日の気の構成を示すもので、
算命学はその気の構成で宿命や運命を読み解くのですが、
実はそれだけでなく、
ダイレクトに「自分の人間としての形」を示しているものでもあります。
どういうことかというと、
破格の場合、命式に破れがあるのと同様に人間としての気の構成に欠けがあり、
それがどのような人間の形として現れるかといえば、
「完全」の記憶、「完全」の気配を持ちながら、完全性の一歩手前にいる在り方として現れます。
そしてこれは、
完全格の人以上に破格の人は完全性にこだわり、
完全格の人以上の熱意をもって完全性を目指し、
その完全性に不足する部分を誰よりも敏感に察知してそれを完全なものへと作り変えていく性質となって現れます。
何事につけ、
完全なもの、
完全な人というのは、
その完全が当たり前なので、
「完全」を目指すとか、「完全」を教えるということが不得手であったりします。
「完全」とは欠けるもののない状態なので、
真に完全な人は完全でないものを想像できないからです。
その意味で、
破格の人は不完全なものを完全にしていく、
世の中の問題を認識し、それを解決していく人であり、その役割を担う人であるといえます。
但し、
不完全なものを完全にしていく志向性なので、
完全なものを前にすると、
それを破壊するという側面もまたあります。
完全なものに破れを作った上で、
完全性を目指す、ということ。
よって、もし完全なものを前にしたら、
あるいは不完全なものを完全なものに作り上げることができたら、
そこから退くべき人でもあります。
なお、完全格とか破格の人は、
宿命の役割が格法の中にあるので、
その実現に着手してはじめて宿命が稼働するといわれます。
完全格の人はその格法の体現者、
破格の人はその格法の牽引者としての役割を意識して担うことが望まれます。
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