過去と未来は可逆的、そして「ΔS≧0」

『事物は必要に応じて、ほかのものに変わる。
そして時間の順序に従って、正義となる。』

…これは、2600年ほど前のギリシャの哲学者、アナクシマンドロスの言葉だそうです。

もしかしたら、前に書いたかもしれないのですが、
この言葉が、
十二大従星が生まれてくる背景の考え方に共通していて、
古代の人たちというのは、洋の東西を問わず、同じような時間感覚をもっていたのだな、と思い至りました。

今、note(の上級編)で十二大従星が生まれてくる背景について説明しているのですが、

十二大従星というのは「地支=時間」から生まれてくる星であり、
時間=現実における力量を示すものですが、
それと同時に、「時間=現実」における役目もまた示している…という前提をもって、この言葉を眺めれば、

十二大従星の力量、つまり12種類の力量というのは、すべて同時に存在しているけれど、

必要に応じて=家系が置かれた状況に応じて、
12種類の十二大従星のうち最もマッチして星が現れる、

そして、
時間の順序に従って=現実において実際にその役目を実現・展開することにより、
正義となる=役目を全うして因縁を消化し、次にバトンを渡す。

…と捉えることが出来、

冒頭の、
『事物は必要に応じて、ほかのものに変わる。
そして時間の順序に従って、正義となる。』
…というこの言葉に、理論物理学者であるカルロ・ロヴェッリが夢中だということは、
算命学の深遠な構造というのは、最先端の物理学に通じているのだな、と、感じ入った次第。

なお、その本には、
エントロピーが低い=過去=秩序立っている
エントロピーが増大=未来=秩序が亡くなる
…という説明もあるのですが、

その延長において、

過去と未来の間には、
単に、「秩序だっているかどうか」の違いがあるのみであって、
その意味で、原因と結果というのは実は「可逆的」であるということ、

これはつまり、

未来を決めて過去がついてくる
=結果を先取りして原因が追い付いてくる
…ということが日常的に起こっているということ、

「今」を挟んでその「絶対値の値がそれほど大きくはない」人が多いので、
自覚しているひとは少ないかもしれないけれど、

理論物理学によれば、その「過去と未来」「原因と結果」が常に「可逆的」であるということ、
…が書いてありました。

さて、この内容をご覧になって、ピンときた方がおられると思うのですが、
これはまさに、龍高星・玉堂星(=過去)と鳳閣星・調舒星(=未来)の関係で、

算命学においても、
「過去と未来」、「原因と結果」は、常に「可逆的」であるという前提になっています。

もっとも、
算命学をある程度長く学んでいる方の中にも、
龍高星・玉堂星(=過去)と鳳閣星・調舒星(=未来)の世界観に気づいていない方は多くおられ、
これらが可逆的であるという理解に難色を示す方がおられるかもしれないのですが、

立体五行の構造を前提に、過去と未来の位置関係をみれば、
過去と未来というのは、実は可逆的であるのみならず、同時に存在しており、
常に何でも起こり得るのだということが示されており、

それはまさに、理論物理学が描く宇宙の構造に一致していることに気づきます。

現代的時間感覚、西洋的時間感覚にどっぷりつかっている方は???と感じるかもしれませんが、

フレキシブルな思考の人なら既に気付いていると思いますし、
「絶対値の値がかなり大きい人」であれば実は過去と未来をかなり自在に操っているのではないか、
…と思いますがどうでしょうか。

なお、この本には、
「ΔS≧0」(デルタSは常にゼロ以上である )が示す、
「熱は、熱い物体から冷たい物体にしか移らず、決して逆は生じない」という熱力学の第二法則についての説明があるのですが、
これもまた、「南方=火性=未来」という算命学の理論に通じています。

さて、なぜ物理学の話を一生懸命書いたのかといえば、
古代東洋の理論が、最先端の理論物理学に通じる、というのが、まさに時間が円環的に流れていることの証左であるように感じられ、
この感動を書き留めておきたかったからです。

この構造が理解できると、世の中の見え方はもちろん、生き方もかなり変わります。

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