澤瀉屋事件と一貫性の関係

このところ、つくづく大事だな、と思うのが「一貫性」です。

現代日本人は、一貫性というものを軽く捉える傾向にあり、
とりわけ、核家族家庭に育った人などにおいて一貫性を軽く捉える傾向が顕著なのですが、

何事においても、実現・維持の先に存在感を発揮し、長く継承されるものというのは、
とにもかくにも「一貫性」が大切で、
何にしても「一貫性」を損なうと脆く瓦解することになります。

例えば、揺るぎない存在感を発揮して、長い歴史を持つ企業というのは、
社内のルールが確りとあり、その運営において「一貫性」があるものですし、
信用され、多くの人に繰り返し求められるサービスというのも、「一貫性」を備えているものです。

あるいは、結婚などにおいても、
夫婦の役割について、当初決めた役割分担を一貫して担い続けているような夫婦というのは、揺るぎない夫婦関係が確立され、そう簡単には離婚したりしないもの。

その意味で、何事も「最初」が肝心ですし、
そこに堅固な城を築こうと思うなら、
その「最初」に決めたことを「一貫性」をもって継続することが不可欠です。

さて、なぜ、「一貫性」の大切さに思いを致しているのかといえば、
やはり、澤瀉屋の一件は、その当初決めた「一貫性」がそこここで破綻していた、それが原因なのだろうと感じたからです。

猿翁さんが、一度は歌舞伎の世界から締め出したはずの息子(香川照之さん)を引き入れたこと、
猿之助さんが、一度は離れたはずの澤瀉屋に戻ってきたこと、

こうした一貫性の欠落は、当然に有形・無形の波乱と混乱を呼ぶことになるわけで、
その有形・無形の混乱が極まって現象化したのが今回の件なのであろうということです。

西洋的価値観、というか多民族国家で多様な価値観が混在するアメリカ的価値観においては、
「こうですよ」というその言葉の重みを軽んじる傾向にあるのですが、

実際には、「こうですよ」ということが表明されたなら、
それを知った人たちは、直接であろうと間接であろうと、
その「こう」である前提で動き出すので、
そうした「こう」の前提での動きの先に「こう」である現実が構築されていきます。

例えば、澤瀉屋さんでいえば、
息子も歌舞伎界にはいない、亀治郎も澤瀉屋を出たという「現実」で動き出していたので、
右近さん(今の右團次さん)は、自分が四代目猿之助を継承するつもりで励み、
息子さんには、澤瀉屋のスーパー歌舞伎の看板演目『ヤマトタケル』にちなみ「タケル」と名付けておられます。

ちなみに、その右近さんのお子様が生まれたのが2010年、
香川照之さんが歌舞伎に進出することが発表されたのが2011年で、

位相法条件その他を見れば、
こうした現象が起こるのも理にかなっているのでそれがダメだということではないのですが、

ただ、そこまで確立されていた現実の一貫性を損なうと、
こうしたことも起こるのだな、ということです。

もちろん、今回のような大きな現象が起こるには、数多の理由があり、
猿翁さん、猿之助さん、香川照之さんとそのご子息などの命式にもその理由を求めることはできるのですが、

この「一貫性の破壊」というのも、今回の事態の大きな原因の一つなのだろうと思い、
改めて、「一貫性」の大切さに思いを致しているところです。

ちなみに、中殺がある人というのは、
他人の一貫性の欠如にものすごく敏感ですね。

中殺があると、身近なところに照準が向いていないので、
細かい忖度とか、社交辞令とかそういうのに疎いから余計にそうなのかもですが、

自分に対して言うことと、他の人に対して言っていることが違う人、
…というのを受け入れがたく、
その結果として身近な人間関係が切れていくことが多いのですが、

そんな感じなので、きちんと中殺を消化している人は、
一貫性を堅持している人が多いように思いますがどうでしょう。

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