算命学の重要な要素の一つに、「守護神と忌神」というのがあります。
簡単にいえば、
守護神というのは、気持ちを安定させてくれる、バランスに資する要素、
忌神というのは、気持ちを不安定にする、アンバランスにつながる要素、
…であり、
一般的に、
「物事がうまくいっている」という場合、それは大いに順調に見え、
それを他人が眺めれば、順風満帆で羨ましいな、と、そんなふうに思うのですが、
当事者の側から見れば、
「物事がうまくいっている」というその同じ状況においても、
うまくいっていてその状況に満足し、冷静に次の一手を打つことができ、
冷静に次の一手を打てるから、穏当に、順調に物事が発展していくケースと、
うまくいっているのに不安になり、不安になるから冷静さを適切な一手を打てず、
適切な一手を打てないから、「物事がうまくいっている」状態を損なってしまう、というケースがあり、
穏当に順調に物事が発展していくのは守護神がめぐっているとき、
うまくいっているのに不安になり、悪手を重ねてしまうのが忌神がめぐっているときです。
何事も、一極二元で捉える、
つまり、あらゆるものに、陰と陽、表と裏、良い面と悪い面、がある、というのは算命学における基本ですが、
物事というのは常に中立であるわけで、
そう考えると、実は、「物事がうまくいっている」
…というその現象だけで、物事を判断できるものではないことが分かります。
たとえば、「めちゃくちゃ儲かってる！」という人がいますが、
その一事の裏には、実はもれなく、計り知れないあれこれがあるのだということです。
なぜ「もれなく」かといえば、
「めちゃくちゃ儲かっている」というときのその「めちゃくちゃ」というのが、
既にアンバランスであり、忌神的であるので、
遅かれ早かれ、それが不時着する可能性を多分に秘めていることを伺うことができるからです。
これを逆に言えば、
「ものすごく」とか「めちゃくちゃ」とかいう極端さを示すワード、
アンバランスさを示すワードを自分が使っていることに気づいたら、
ちょっと立ち止まって冷静さを取り戻しましょう、ということでもあります。
そして、
うずたかく一生懸命、積み上げたその砂山を、一度均して土台をしっかりすることを考えましょう、
…ということです。
ここ数年、いわゆる「ニューリッチ系」の経営者の方のご相談をいただくことが時々ある中で気付いたのですが、
「ものすごく」とか「めちゃくちゃ」とかいうワードを使う経営者の方は、
その時期から、だいたい悪手を重ねはじめて、その後いったんガツンと落ちる感じがあります。
もちろん、その後、復活する方も多いですし、
その「いったん落ちる」ことが良い経験になるという考え方もありますが、
まぁだいたい、こちらが事前に、そのワードを言い出したら危ないですよ、
…とお伝えし、スルーされたあと、そのとおり「ガツンと落ちる」という事態になった場合、
たいていの経営者の方は、二度と私のところにはお越しにならず、多少残念に思う、
つい先日もそういうことがあったので、先に書いておく次第。
守護神を呼び込むには、バランスを意識することが何より大事です。
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