ご自宅にお仏壇があるお宅であれば、当然のことだと思うのですが、
母が他界して以来、お茶とお花、お供え物を一日たりとも欠かしていません。
母がそのようにしていたとおりに、私がそれを引き継いでいる感じです。
母の存命中は、すべて母がそうしたことをしていたので、
まるでノータッチで、ただ見ていただけの頃は、
「毎日でなくてもいいんじゃないの？」
…と思っていたのですが、いざ母が他界して、自分しかやる人がいなくなると、
当たり前のように、その役目を引き継いでいます。
東洋思想・算命学を学んでいると、
ご先祖様を大切にすること、亡くなった人に敬意を払い大事にすることがいかに大切か、
ということは揺るぎなく理解しているつもりでいたのですが、
心でもって大切にすることと、実際に、お金をかけ、自分の時間を投じてそれをするのとでは多くの違いがあることを、このところ身をもって感じています。
さて、そんななかで気付いたのは、
前に、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に描かれている、
死刑囚が死ぬ瞬間に立ち会った医師が、その死刑囚の魂を引き継いだ、そういうことは実際に起こり得るのだろう、
…ということを書いたことがありますが、
実際、家系のなかで、他界した人の魂というのは、残された人間に引き継がれるのだということです。
亡くなった人を全人的に引き継ぐのではなく、
亡くなった人の「軸をなしていたもの」を引き継ぐ、というほうが正確ですが、
それは、本人が意識的・自覚的に引き継ぐのではなく、
その死に立ち会った人間が、ある意味、自動的に、不可避の現象として引き継ぐのではないか、
…と、感じています。
現代に生きていると、憲法には様々な「自由」が認められていて、
何をするにも自由であり、家系や先祖、親にしばられることなく生きていくことができるような気がするのですが、
顔かたちや体型、才能といったものが、色濃く継承されていくのと同様に、
魂というか、その役目というか、生き方というか、そういうものも、
先に描かれた轍をなぞるように、継承されていくのだろう、と感じています。
もちろん、算命学では継承卯・非継承運というのがあり、
「継承」すべき人、すべきではない人がいて、さらに中殺などがあると家系から離れるべし、とされているのですが、
そういう「生き方・生きる道」とはまた別の「魂の継承」というのはあるのではないかと考える次第。
ちなみに、そうやって日々せっせとお仏壇にお供えをしてお線香をあげて手を合わせる生活を送り始めて、
いろんなところで、助けられるというか、守られているというか、そういう出来事も増えました。
特に感じるのは仕事の面で、なぜか「立派な人」とばかり縁が出来ます。
特に、選んでいるわけではなく、たまたま「立派な人」にあたる、呼ばれる、指名される、ということなので、
まわりからは「ラッキーだね」といわれ、私もラッキーだな、と思っているのですが、
そのことと、日々せっせとお仏壇にお供えをしてお線香をあげて手を合わせる生活のおかげなんじゃないかな？
…と、感じています。
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