思い出すには「時間と空間」を必要とする

『千と千尋の神隠し』において、
思い出すべきは 「人」 ではなく 「川」 だったのか!!
‥ということが分かったとき、
衝撃と共に壮大な懐かしさを覚え、
胸が締め付けられるような気持ちが広がった人は少なくないだろうと思いますが、

私にとっての今回の神戸の体験、
いや、厳密にいえば数年前の尼崎での衝撃から今回の神戸での想起に続く、数年間にわたる一連の体験は、

まさにそんな、
思い出すべきは 「人」 ではなく 「川」 だったのか!!
‥的な、体験であったことに気づいてドキドキしています。

何かといえば、
「尼崎から神戸」というのは、
尼崎で学びながら神戸に本社を置く製鐵会社で働き、職場恋愛のすえ結婚した両親の青春の場所であり、婚約した場所であったということ。

その後、倉敷を経て、私が12歳になる年には海外での仕事のため東京本社へ赴任、以降、仕事の中心は海外に移ったので、倉敷や神戸を訪れることがなく、すっかり忘れていたのですが、
23歳と21歳で結婚した両親が愛を育んだのが、まさに「尼崎から神戸にかけて」のエリアで、

それと気づいて振り返れば、
滞在中、ちょっとおかしいくらいの既視感や、
不快ではないけれど誰の声かわからない楽しそうな声が聞こえる感覚が続いていたのですが、
そういう「両親の記憶」からきたのなら、不思議はないなと思っています。

ちなみに、数年前の尼崎では、そのことは思い出しませんでした。
たぶん、今回の神戸だけでも、思い出さなかったんじゃないかな?

ちょっと突飛であるように感じられる方もおられるかもしれませんが、これは、

この世界を人間が生きていくには、
「空間と時間」を必要としますが、
それと同じように、人間が何かを「思い出す」ときにも、
「空間と時間」を必要とするんじゃないかな?
‥ということです。

尼崎に身を置き、その先に神戸というトリガーが発動したから、その両親の記憶が呼び起こされたんじゃないかな?‥というか。

あるいは、
この両親についての「全的な記憶」を呼び覚ますには、
尼崎から日常を経て神戸に至るという、空間的・時間的移動を必要としたのではないか?というか。

「両親の記憶」
‥などというと、ひどく通り一遍に聞こえそうですが、
あの色鮮やかにして匂い立つような既視感は、

まさに冒頭に挙げたような、
思い出すべきは 「人」 ではなく 「川」 だったのか!!
‥的な、体験でした。
伝わるかな。

いつになく非現実的なお話で恐縮ですが、
たぶん人間は、40代から50代くらいになれば、
「そういうことが起こる」ということを知っておいたほうが良い気がします。

以下、わかる方へ。

時間=十二支
空間=十干ですが、
今月、乙亥の月、異常干支の月なので、こういう不思議なことも起こるのかな?
‥と、思ったのですがどうでしょうね。

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