陰占の干支の構成でみる格法というのがあります。
例えば、命式が全部土性とか木性のような特殊な構造の命式の場合などの偏りが大きな命式の場合、一般の命式とは異なる見方をします。
こうした命式を持つ人はとても個性的でパキッとした生き方や性質になるため、
ものすごく名誉を得る人生になったり、
ものすごく財産を手にする人生になったりする一方で、
その代わりに別のものを失ったり、親や兄弟、配偶者との縁が少なく一代限りの生き方になったりするといわれます。
また、大きな財や名誉を受けることの表裏として、エゴを出さない生き方が必要なので、天将星・天南星・天禄星があると格から外れることが多いとされます。
宿命中殺もある意味特別な生き方が望まれますが、その保有割合が2割か3割くらいだとすると、完全格の命式は数パーセントといわれるので、
さらに特別な生き方を選ぶべき人たちといえます。
なお、先日ちらりと書きましたが中曽根元首相はこの完全格の人です。
また、格に入る命式は偏りが大きいのですが、偏りが大きい完全格の場合、バランスするより完全性を保つほうが大事なため、後天運においてこの完全性を損なう星が回ると運気が低迷するという特徴があります。
以下、分かりやすそうな格法をいくつか紹介します。
■従財格
従財格とは、日干が他のすべての干支を剋す命式のことで、大きな財や人脈、愛情などに恵まれやすいとされます。
日干が他の干支を剋す場合、でてくる星は禄存星か司禄星なので、陽占の星図は禄存星か司禄星だけで構成されるように思えますが、
地支の中にある蔵干は日干に剋されているかを問わないため、これ以外の星が出ていることもあります。
但し、少なくとも2つは禄存星か司禄星があり、土性の十大主星が中心の構成になります。
この格は身弱であることも条件の一つですが、
エゴが強まる貫索星・石門星、
自分を生じる龍高星・玉堂星がまわる場合や、
強い従星(天将星・天南星・天禄星)がまわると運気が低迷します。
一方で、運気を後押ししてくれるのは偏りを強固にしてくれる禄存星・司禄星、
鳳閣星・調舒星がまわる時期というのは大きく発展し活躍する星回り。
■従官格
従官格とは、日干がすべての他の干支から剋される形です。
日干を剋されるので陽占の星図は車騎星・牽牛星が主体になります。
この命式の人は、役目に生き、人に従う生き方で地位や名誉を得ることができます。
人の命令に従って生きるのがよく、エゴを出すと運気を下げます。
よってエゴの強い星である貫索星や石門星があると格には入りません。
また、後天運で貫索星や石門星がめぐる場合も運気は低迷します。
■従生格
従生格とは、日干がすべての他の干支を生み出す(洩らす)命式です。
よって鳳閣星・調舒星が主体の星図になります。
表現の星が主体なので、作家とか役者、芸術家など、自分を表現し、それを世の中に出していくことに天分があり、それを出し切った先に財があります。
但し、自分のエゴを出すのではなく、人に従い世に従った上での表現です。
よって、天将星・天南星・天禄星は強すぎます。
とはいえ、格が生きるには身弱が良いとされますが、「出していくエネルギー」なので、身中くらいでも良いように思います。
なお、鳳閣星・調舒星と相剋になる龍高星・玉堂星、車騎星・牽牛星があると格から外れます。
とりわけ、剋される龍高星・玉堂星が後天運でまわるときは注意が必要です。
なお、判断には干合や半会による変化も織り込む必要があるため、サクッとネットで命式を見るだけでは分からないものもたくさんありますのでご注意ください。
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